東京港区の会計事務所 森公認会計士事務所 

用語集

 

手形

割引手形とは、受取手形を期日前に銀行に持ち込むことにより、割引日から満期日までの利息相当額を割引料として差し引かれることで、期日前に受取手形を現金化することを言う。

割引手形の仕訳にはいくつかの処理方法がある。
1)まず、割引時に
当座預金  / 受取手形
支払割引料
という仕訳する方法がある。

2)手形を割引いた後も、手形期日まで遡及義務等が残ることから、上記1)の仕訳に
割引手形見返 / 割引手形
という対照勘定を加えて処理する方法もある。

3)または、割引時に受取手形を減らす代わりに、
当座預金  / 割引手形
支払割引料
という評価勘定で処理する方法もある。

裏書手形

裏書手形とは、受取手形を期日前に仕入先への支払に当てることを言い、手形の裏面に記名・押印をして第三者に譲渡することから裏書手形という。
裏書手形を活用することにより自己資金を用意することなく仕入の支払いを行える。

裏書手形の仕訳にはいくつかの処理方法がある。
1)まず手形の裏書きの際に
買掛金  / 受取手形
という仕訳する方法がある。

2)手形を裏書きした後も、手形期日まで遡及義務等が残ることから、上記1)の仕訳に
裏書手形見返 / 裏書手形
という対照勘定を加えて処理する方法もある。

3)または、裏書き時に受取手形を減らす代わりに、
買掛金  / 裏書手形
という評価勘定で処理する方法もある。

貸倒引当金

売掛金、受取手形、貸付金、未収入金、立替金などの金銭債権に対して、将来に回収不能となる見込み額を貸倒引当金として計上する。
貸倒引当金の計上方法には2つある。

まず、個別引当とは、民事再生、会社更生手続きの開始や、手形の不渡りなどにより個別に債権ごとに回収不能額を見積もる方法である。

一括引当は、売掛金等の売上債権に対して、過去の貸倒実績率等により一括して回収不能額を見積もる方法である。

ただし、税務上、貸倒引当金は中小企業等にだけ認められ、その計上要件も厳格に定められている。

貸倒引当金の会計処理は、貸倒引当金を計上する時は、
貸倒引当金繰入額 / 貸倒引当金
という仕訳をする。

貸倒引当金を取崩す時は、
貸倒引当金 / 貸倒引当金戻入
という仕訳をする。

月次決算

株主等の外部利害関係者への報告目的で、年1回もしくは四半期ごとに作成される決算とは別に、会社の管理目的で毎月作成される決算を言う。

毎月決算に準じて、
・賞与
・退職給付引当金
・貸倒引当金
・未払費用等
・減価償却
などを計上する。

月次決算により、予算や前年実績と対比し、業績内容や資金繰りを把握することで、問題点に迅速な対応ができる。
また、月次で業績を把握していることから、正確な収支予測が可能となる。

月次決算では、短期間で決算を行うため、迅速かつ正確な処理が求められる。そのため、経理担当には負担になるが、毎月決算を行っていることから、年次決算が容易になる。

実地棚卸

たな卸資産の在庫を確定させるために、期末などの一定時点で、実際のたな卸資産の数量、品質などを確認する手続き。

具体的には、商品、製品、仕掛品、原材料などのたな卸資産について、帳簿上の残高どおり在庫があるか、実際の棚卸資産の数量を確認していく。
その際に数量だけではなく、たな卸資産の品質、保管状態などもあわせて確認する。

実地棚卸により帳簿上の在庫に過不足が生じていれば、帳簿上の在庫を実際の在庫数量に修正を行い、不良品や滞留品等があった場合には、評価損の計上を検討する。

なお、実地棚卸の実施頻度は、会社の規模やたな卸資産の種類により、期末時点だけではなく、四半期、あるいは毎月末など定期的に行っていく。

役員報酬

役員報酬とは、役員に対する給与のうち、賞与及び退職給与以外のものをいう。

ただし、税務上は、
・1か月以下の一定の期間ごとに支給する金額が、同額である場合や、
・所定の時期に確定額を支給する旨を定め、所轄税務署長に届け出た場合、
・一定の要件を満たす利益連動給与
についてのみ、損金に計上される。

また、不当に高額な部分の役員報酬についても、損金算入は認められない。

なお、税務上の役員は、会社の取締役・監査役等だけではなく、一定の要件を満たして経営に従事しているものも対象となる。

売上

売上は、商品・製品の販売や、役務の提供により対価が確定した時に計上される。

一般的には、
・出荷基準:商品・製品を出荷した段階で売上を計上する
・検収基準:得意先が商品・製品の研修を終えた時点で売上を計上する。
いずれかの基準を、商品・製品の種類などによって選択適用する。

ただし、業種や商品・サービスによっては特殊な計上基準を採用する場合がある。
例えば、建設業やソフトウエア業などでは、製品の引き渡し前に、工事の進捗度合いに応じて売上を分割計上する工事進行基準により計上されることもある。

また、
・売上値引
・売上戻り(返品)
・売上割戻(リベート)
については、売上から控除される。

なお、売上割引は、支払期日前に売上代金を入金することに対する利息に相当する割引のため、営業外費用とされる。

仕入(棚卸資産)

商品・原材料を仕入れた時に計上する。

仕入には、購入先に支払った代金と、引取運賃、荷役費、運送保険料、購入手数料、関税、その他購入のために要した費用が含まれる。

ただし、
・買入事務、検収、整理、選別、手入れ等に要した費用
・販売所等から販売所等へ移管するために要した運賃、荷造費等の費用
・特別の時期に販売するなどのため、長期にわたって保管するために要した費用
これらの費用の合計が、少額の場合(棚卸資産の購入の代価のおおむね3%以内)、取得価額に算入しないことができる

また、
・仕入値引
・仕入戻り(返品)
・仕入割戻(リベート)
については、仕入から控除される。

なお、仕入割引は、支払期日前に購入代金を支払うことに対する割引のため、営業外収益とされる。

貸倒損失

売掛金や貸付金、未収入金などが、相手先の倒産などにより回収する可能性がほとんどなくなった場合、貸倒損失を計上する。

ただし税務上は、貸倒損失を損金に計上できる要件は、以下のように厳格に定められている。
・民事再生や会社更生手続きで、金銭債権が切り捨てられた場合
・債務者の債務超過の状態が相当期間継続し、書面で債務免除を行った場合
・債務者の資産状況、支払能力等からその全額が回収できないことが明らかになった場合
(担保物があるときは、担保物を処分した後)
・継続的な取引先と取引停止してから1年以上経過したとき
(取引停止後、弁済があれば、それから1年以上経過したとき)
・売掛債権の総額が取立費用より少ない場合

中小企業の会計に関する指針

日本公認会計士協会、日本税理士会連合会、日本商工会議所、企業会計基準委員会が主体となって、中小企業における一般に公正妥当と認められる企業会計の慣行となるように設定された会計基準。
また、会計参与が取締役と共同して計算書類を作成する際の拠り所とされる。

中小企業の会計に関する指針は、例えば、
・最終仕入原価法の容認
・重要性に乏しいものを、経過勘定処理しない
など、コスト・ベネフィットの観点から、会計処理の簡便化や法人税法で規定する処理の適用が、一定の場合には認められている。

適用対象となる会社からは、
・金融商品取引法の適用を受ける会社並びにその子会社及び関連会社
・会計監査人を設置する会社及び子会社
が除かれている。

事業税(個人事業税)

事業税のうち、個人で事業を営む方にかかる事業税については、個人事業税ともいいここでは、個人事業税について記載する。

個人事業税は、事業所得と不動産所得に対してかかるが、所得税の確定申告書を提出していると、都道府県が事業税の計算を行い、納付書が送られ、8月と11月に納付する。

事業税の税額の計算は所得税と異なり、
(事業所得・不動産所得+青色申告特別控除額(65万円)-事業主控除(290万円))×税率 となる。

税率は事業により異なり、以下の通り。
・第1種事業(37業種)- 税率5%
物品販売業、不動産貸付業、製造業、駐車場業、請負業、飲食店業、その他一般の営業
・第2種事業(3業種)- 税率4%
畜産業、水産業
・第3種事業(30業種)-税率5%
医業、弁護士業、公認会計士業、税理士業、コンサルタント業、 理容業、美容業、あんま・はり・きゅう等の事業、その他の自由業

事業税(法人事業税)

青色申告特別控除

青色申告特別控除は、青色申告者の特典の一つとして、所得税を計算するときに所得金額から一定金額(65万円または10万円)を控除できる制度をいう。

青色申告特別控除で、65万円の青色申告特別控除を受けるには、以下の要件を満たす必要がある。
・不動産所得または事業所得があること
・正規の簿記の原則(複式簿記)による記帳
(現金主義は認められない)
・正規の簿記の原則により作成した貸借対照表及び損益計算書を確定申告書に添付し法定申告期限内に提出すること

上記の要件を満たせない場合は、10万円の青色申告特別控除となる。
(なお、10万円の青色申告特別控除では、不動産所得、事業所得および山林所得も
対象となる)

均等割

法人住民税は、法人税割と均等割からなり、このうち法人に対して均等の額を課する住民税分を均等割という。

法人住民税の均等割は、都道府県民税と市町村民税の2つにわけられ、税率は、
・都道府県民税:資本金等の額に応じて2万円から80万円までの5段階
・市町村民税:資本金等の額と従業者数に応じて5万円から300万円までの9段階
に区分されている。
よって、赤字の法人でも最低7万円の均等割が税金としてかかることになる。

なお、市町村民税の均等割は、標準税率の1.2倍までの制限税率を各市町村で定めることができる。

この資本金等は、基本的に事業年度末の資本金等の額とする。従業者には、アルバイト、パートなども含まる。

また、均等割りの計算に当たっては、1月未満の端数は切り捨てる。ただし、1月に満たないときは、1月とする。

伝票

伝票とは、取引が起きた時に、仕訳を記帳する用紙である。
規模が大きくなるにつれ、取引が生じたときに全ての仕訳を仕訳帳に記帳したうえで総勘定元帳へ転記する代わりに、伝票に起票して、伝票から総勘定元帳に転記していく伝票会計が発達していく。

伝票には、
・入金伝票:入金があったときに使用する伝票
・出金伝票:出金があったときに使用する伝票
・振替伝票:入出金以外の取引のときに使用する伝票
の3伝票ある。

この他に、
・売上伝票:掛け売上の時に使用する伝票
・仕入伝票:掛け仕入の時に使用する伝票
の2つの伝票を加えた5伝票制もある。

ただしコンピューターの発達した現在では、紙の伝票に起票することなく、直接会計ソフトに起票する伝票レス会計となってきている。

法人設立届出書

会社を設立した場合、法人設立の日(設立登記の日)以後2月以内に、「法人設立届出書」を、納税地(原則として本店又は主たる事務所の所在地)の所轄税務署に提出します。

添付書類として、下記書類を1部(ただし、資本金1億円以上の場合は2部)添付します。
1 定款の写し
2 設立の登記簿謄本(履歴事項全部証明書)
3 株主名簿
4 設立趣意書
5 設立時における貸借対照表 
(6 合併により法人を設立した場合における合併契約書の写し)
(7 分割により法人を設立した場合における分割計画書の写し)

給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出

開業後、給与を支払う場合には、開業から1か月以内に、所轄税務署長に対して「給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出」を1部届け出ます。

「給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出」は、会社設立時だけではなく、国内において給与等の支払事務を取り扱う事務所等を開設、移転又は廃止した場合に、開設、移転又は廃止した日から1カ月以内に所轄の税務署に提出します。
(なお、移転の場合は、移転前と移転後、それぞれの所轄税務署に提出します)

棚卸資産の評価方法の届出書

開業後、最初の確定申告書の提出期限までに「棚卸資産の評価方法の届出書」を、所轄税務署長へ提出します。

「棚卸資産の評価方法の届出書」には、事業の種類または事業所ごとに、各資産の評価方法を記載します。

具体的には、
・商品又は製品
・半製品
・仕掛品(半成工事)
・主要原材料
・補助原材料
・その他の棚卸資産
の資産区分ごとに、原価法または低価法を選択するとともに、以下の評価方法を選定する。
・個別法
・先入先出法
・総平均法
・移動平均法
・最終仕入原価法
・売価還元法
・低価法

「棚卸資産の評価方法の届出書」を提出しない場合、最終仕入原価法が適用されることになる。

減価償却資産の償却方法の届出書

開業後、最初の確定申告書の提出期限までに「減価償却資産の償却方法の届出書」を、所轄税務署長へ提出します。

「減価償却資産の償却方法の届出書」には、
・建物付属設備
・構築物
・車両及び運搬具
・工具
・器具及び備品
・機械及び装置
などの資産または設備の種類ごとに、
・定額法
・定率法
・生産高比例法
などの償却方法を記入します。

「減価償却資産の償却方法の届出書」を提出して償却方法を選定しない場合、定率法
が適用されることになる。

なお、建物については、現在は定額法しか認められていないため、「減価償却資産の償却方法の届出書」に記載する必要はありません。

資本金

資本金とは、会社財産を確保するための計算上の数値であり、設立または株式の発行に際し、株主により払い込まれた金銭または給付された金銭以外の財産の額を基礎とする。

なお、この株主による払込み又は給付に係る額の2分の1を超えない額は、資本金として計上せずに資本準備金として計上することができる。

従来は、最低資本金制度として、株式会社は資本金1千万円以上、有限会社は3百万円以上が必要であったが、平成18年の会社法により最低資本金制度が撤廃され、1円以上で株式会社を設立することが可能となっている。

家事消費等(自家消費)

個人事業主が、事業用のたな卸資産(商品・製品・半製品・原材料など)や消耗品を家事に使用した場合や贈与した場合をいう。

家事消費の計上金額は、税務上、原則として販売価額を総収入金額に算入することとされている。
ただし、この場合、売上高と仕入高の差額が収益とされてしまう。

そのため特例として、
・たな卸資産の仕入価格と
・通常の販売価額の70%
のいずれか高い価額を自家消費の額として計上することができる。

なお、所得税の青色申告決算書の「月別(収入)金額及び仕入金額」に家事消費等の欄があり、ここに家事消費した分や贈与した分を記入することになるが、家事消費分や贈与分を売上として計上している場合は、この欄に記入する必要はない。

元入金

個人事業主の資本金に該当する科目になり、開業時は、事業のための資金が元入金となる。

その後は、期首の元入金の金額が、その期の元入金の金額となり、期中は元入金の金額は変わらない。
そのため、青色申告決算書の貸借対照表の期首と期末の元入金の金額は同額となる。

しかし、元入金の繰越処理は、期末に事業主貸と事業主借を相殺した上で元入金の科目に振り替えられて翌期に繰り越されるため、
「翌期首の元入金の金額=前期末の元入金+青色申告特別控除前の所得金額(利益)+事業主借-事業主貸」
の金額となる。

結果として、
「首の資産の金額-期首の負債の金額」
が元入金の金額となっている。

事業主貸

個人事業特有の勘定で、事業用資産から事業主個人へお金が動いた場合等に使われ、事業主に対する一時的な貸付を意味する。

具体的には、事業主の生活費など個人的な支払をした場合に
事業主貸 / 現金
という仕訳が計上される。

この他にも、家事関連費のうち家事分を事業用資金で支払った場合も、個人の支払にあたるので、事業主貸を計上する。(事業分は、普通に経費計上する)

また、報酬が源泉徴収される場合、本来事業主個人が支払うべき所得税が立替払いされるので、事業主勘定を使用する。

また、事業用固定資産や有価証券の売却は、事業所得ではなく譲渡所得という別の区分に該当するので、事業所得と区分するために売却損を事業主貸に計上する。

最終的に事業主貸は、期末に事業主借と相殺され、元入金に集約される。

事業主借

個人事業特有の勘定で、事業主個人から事業用資産へお金が動いた場合等に使われ、事業主に対する一時的な借入を意味する。

具体的には、事業の資金が少ない場合に、個人預金から入金した場合、
現金 / 事業主借
という仕訳が計上される。

この他にも、事業用の預金や有価証券から生じる預金利息や受取配当金も、税務上、事業所得と別の利子所得や配当所得になるので、事業所得と区別するために事業主借を使用している。

また、事業用固定資産や有価証券の売却も、事業所得ではなく譲渡所得という別の区分に該当するので、事業所得と区分するために売却益を事業主借に計上する。

最終的に事業主借は、期末に事業主貸と相殺され、元入金に集約される。

繰延資産

繰延資産とは、すでに対価の支払いまたは支払義務が確定し、その役務の提供を受けたが、その効果が将来の期間に渡る特定の費用をいい、会計上の繰延資産と、税務上固有の繰延資産がある。

会計上の繰延資産とは、会社法上、下記の5つ限定列挙されている。また、償却は原則支出時だが、以下の償却年数で償却できる。
・創立費:5年
・開業費:5年
・開発費:5年
・株式交付費:3年
・社債費:社債の償還期間内

ただし、税務上、会計上の繰延資産の償却年数は任意とされている。

(個人事業主に関しては、所得税法上は、開業費と開発費に限定されている)

税務上の繰延資産は、法人が支出する費用のうち支出の効果がその支出の日以後1年以上に及ぶもので、
・資産を賃借するための権利金等
・公共的施設などの負担金
・ノーハウの頭金等
などがあり、一般的な勘定科目は長期前払費用が使われる。

年末調整

年末調整は、毎月の給与等から源泉徴収をした所得税の合計額と、その人が1年間に納めるべき所得税額との差額を精算する手続き。

年末調整の対象は、
・会社などに1年を通じて勤務している人
・年の中途で就職し年末まで勤務している人
・「給与所得者の扶養控除等申告書」の提出者
・その年の給与の総額が2,000万円以下
となる。

具体的な年末調整の流れは、
・「扶養控除等申告書」と「給与所得者の保険料控除及び配偶者特別控除の申告書」を記入してもらう
・「扶養控除等申告書」等に基づき、1年間に納めるべき所得税額を算出
・源泉徴収をした所得税の合計額が、1年間に納めるべき所得税額より多い場合には、その差額の税額を還付し、少ない場合には、その差額の税額を徴収する

償却資産税

固定資産税のうち償却資産について償却資産税と言い、1月1日の償却資産に償却資産については、1月31日までに、償却資産を所有する各市区町村に申告する。
(土地、家屋は基本的に申告不要)

具体的な償却資産は、構築物、機械、備品等になるが、課税標準額の合計が150万円未満の場合、課税されない。

また、
・自動車等(自動車税・軽自動車税の対象)
・無形固定資産
・繰延資産
・取得価額が10万円未満の償却資産
・一括償却資産
等は償却資産から除かれる。

逆に、
・取得価額20万円未満の償却資産で個別に減価償却をしているもの
・中小企業者等の少額資産(取得価額が30万円未満で損金算入したもの)
等は含まれる。

税額は、課税標準に税率1.4%を乗じて算出され、納税通知書に基づき、通常年4回に分けて納付する。

売掛債権管理

売掛債権管理には、取引時開始時の与信枠の設定から、売上計上、そして代金回収に至る流れがある。

まず、新規の取引先に対して、その財務内容から与信の可否や与信限度額を設定するとともに、継続的な取引先には、定期的に財務内容の評価や与信限度額を見直す。

商品出荷やサービス提供があれば漏れなく売上を計上し得意先に請求書を発行する。
請求後に入金を確認し、売掛金の消し込み作業を行う。

必要に応じて得意先に、帳簿残高と得意先が認識している債務残高と一致しているか残高確認を行う。

また、期日どおり入金されて債権が滞留していないか、定期的に売掛金の年齢調べを行い、滞留債権の管理を行う。

仮に、期日通りの入金がない場合は、得意先に督促を行っていくが、回収可能性に応じて、貸倒引当金や貸倒損失の計上を判断していく。

買掛債務管理

買掛債務管理とは、商品・原材料が入荷すれば計上基準に応じて仕入を計上し、決済期日どおり入金があるか、債務残高を管理する。

具体的には、商品・原材料が入荷すると、現品と納品書および注文書を照合し、商品・原材料の種類によっては検査まで行い確認する。
仕入の計上は、会社が採用する入荷基準または検収基準に基づき、入荷時または検収時に計上する。

仕入計上後は、仕入先からの請求書の請求内容や支払条件を確認の上、注文書控えや納品書に基づく買掛データと照合し、期日までに支払を行うとともに、債務残高の消し込みを行う。

債務残高管理として、期日別に債務残高を検証するとともに、仕入先別に滞留の有無を確認や、赤残債務の有無も確認していく。

在庫管理

在庫管理には、日常の受払管理、実地棚卸などによる残高管理、そして在庫水準を検討する適正在庫管理がある。

受払管理は、帳簿に在庫が正確に記録されるよう、入出荷される在庫を各種証憑と注文データを照合し、入出庫日、受払価格、受払数量などを適切に記録する。

残高管理は、実地棚卸で在庫をカウントし、帳簿残高との差異を把握することで残高を確定させる。あわせて、滞留品や陳腐化がある場合は、評価損の計上を検討する。

適正在庫管理は、得意先の注文に応じられるよう在庫を保有する一方で、過剰在庫や滞留在庫を発生させないよう需要予測に応じて適正在庫水準を求め、実際の在庫数量をコントロールすることをいう。

固定資産管理

固定資産は、金額が多額で、長期にわたって使用されることから、取得時だけではなく、その後の現物管理や除却時まで管理をする必要がある。

具体的には取得時は、金額が多額になるため、相見積もりを取るだけではなく、設備投資計画や稟議申請を経て固定資産を取得する。

取得後は、固定資産に連番を付し、固定資産台帳への登録を行うとともに、長期に渡り固定資産は使用されることから、定期的に現物実査を行い、滅失や所在場所の確認等を行う。

そのために、設置場所を移動や除却に際しては、固定資産台帳へ適切に登録する必要がある。

また、固定資産のメンテナンスは、メンテナンスが資本的支出と修繕費のいずれに該当するか判定し、適切に記帳する。

売掛金元帳

売掛金元帳は、仕訳帳や総勘定元帳とは別に、掛売上がある場合に得意先毎に作られる補助元帳で、得意先元帳や得意先台帳とも呼ばれる。

売掛金元帳には、得意先毎に売掛金の発生(売上)と消し込み(回収)を記帳し、残高を管理する。具体的には、売上や回収があれば、売上金額、回収金額、日付、内容(品名)、請求日などを売掛金元帳に記載する。

売掛金元帳により、得意先ごとの残高把握だけではなく、売掛金の回収が遅れていないか滞留の有無や、与信限度内の売上となっているか与信管理も行っていく。そのために売掛金元帳に、与信限度や取引条件を売掛金元帳に記載する場合もある。

買掛金元帳

買掛金元帳は、仕訳帳や総勘定元帳とは別に、掛仕入がある場合に仕入先毎に作られる補助元帳で、仕入先元帳や仕入先台帳とも呼ばれる。

買掛金元帳には、仕入先毎に買掛金の発生(仕入)と消し込み(支払)を記帳し、残高を管理する。具体的には、仕入や支払があれば、仕入金額、支払金額、日付、内容(品名)、請求された日などを買掛金元帳に記載する。

買掛金元帳により、仕入先ごとの残高を把握するというだけではなく、買掛金の支払いが遅れていないか滞留の有無を調べていく。そのために、支払条件を買掛金元帳に記載する場合もある。

総勘定元帳

総勘定元帳は、仕訳帳と並ぶ主要簿で、勘定ごとに取引が記録される帳簿。

総勘定元帳へ流れは、取引が発生すると、まず仕訳を仕訳帳に記帳し、次に仕訳帳に記帳された仕訳を、勘定ごとに総勘定元帳に転記していく。期末になると、総勘定元帳の各科目の残高にもとづいて貸借対照表や損益計算書が作成される。

仕訳帳から総勘定元帳へは、日付、金額、相手科目名、取引内容を転記する。

かつては総勘定元帳を作成することにより、日々勘定の残高を把握し、決算書を作成することが可能であったが、現在では、コンピューターでは仕訳を入力することにより自動的に残高を把握できるようになっている。

仕訳帳

仕訳帳は、総勘定元帳と並ぶ主要簿で、日付順に取引を記録される帳簿。

仕訳帳は、取引が発生すると、まず仕訳を仕訳帳に記帳し、次に仕訳帳に記帳された仕訳を、勘定ごとに総勘定元帳に転記していく。
仕訳帳には、日付順に取引が記載されることから、日誌的な役割を持つ。

仕訳帳には、日付、摘要(勘定科目と取引の内容などを記入)、借方金額、貸方金額、を記載する。

なお、仕訳帳を使用せずに、伝票から直接総勘定元帳へ転記する伝票会計もある。

現在では、コンピューターでは仕訳帳を入力するのではなく、伝票入力により自動的に仕訳帳や総勘定元帳が作成されるようになっている。

固定資産台帳

固定資産台帳とは、建物、機械、土地などの有形固定資産や、無形固定資産、繰延資産などを、種類ごとに管理する補助簿。
固定資産台帳のうち、減価償却資産については、償却資産台帳、減価償却明細表などと言われる場合もある。

固定資産台帳への具体的な記載内容としては、資産名、取得年月日、取得価額、償却方法、耐用年数、償却率、期首残高、減価償却費、減価償却累計額、期末残高(未償却残高)などがある。

固定資産台帳は、現物実査だけではなく償却資産税の申告の基礎となる。

なお、市町村が、固定資産税の対象となる固定資産を評価した台帳は、固定資産課税台帳という。

法定調書

法定調書とは、所得税法、相続税法、租税特別措置法などにもとづいて、税務署に提出が義務付けられている書類で、主な法定調書は、以下の6つとなる。

・給与所得の源泉徴収票・給与支払報告書
・退職所得の源泉徴収票・特別徴収票
・報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書
・不動産の使用料等の支払調書
・不動産等の譲受けの対価の支払調書
・不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書

基本的には、1月1日から12月31日までの1年間に支払った支払先、住所、金額を記載して、翌年の1月31日までに合計表と合わせて、税務署に提出する。

ただし、法定調書の提出は支払った金額や年末調整の有無により税務署へ提出をしない場合や、給与所得や退職所得の源泉徴収票のように市町村へも提出する場合がある。

当座預金

当座預金とは、一般的に企業や個人事業主の小切手や手形の支払用の預金口座で、預金はつかず(無利息)、要求払いで、1円単位から預け入れることができる。また、当座預金には、預金通帳はなく、銀行から毎月計算書が送られてくる。

なお、当座預金に残高がないまま小切手を引き落とされると、不渡りとなってしまうことから、当座預金は残高管理が大切となってくる。そのため、当座借越契約を銀行と締結し、契約金額までの当座預金残高のマイナスは、借入とすることができる。

従来は、決済性預金として広く使われていたが、インターネットバンキングの発達などにより、普通預金が決済性預金として広く使われるようになってきている。

預金保護法上は、決済性預金として全額保護対象である。

納税準備預金

納税準備預金とは、税金を支払うための資金をためるための預金口座。
納税準備預金は、原則、税金を支払うための預金口座であるため、利率は普通預金よりも高く、税務上も非課税扱いとなっている。ただし、税金の支払い以外に預金を下ろす場合は、利率は普通預金と同じ扱いとなり、課税されることになる。

預金を引き降ろす際には、銀行から税金の納付書などの提示を求められる。

1円単位で預け入れることができ、預金保険の対象預金で、元本1千万円まで保護される。

中小企業倒産防止共済制度(経営セーフティ共済)

中小企業倒産防止共済制度は、取引先の倒産による連鎖倒産や経営難を防止するため、中小企業倒産防止共済法に基づき、独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営している制度。

中小企業者に該当する会社または個人事業主が、毎月の掛金5,000円から20万円の範囲内(5,000円単位)で、掛金総額800万円まで積立てることができる。

取引先倒産時は、売掛金債権等と掛金総額の10倍のいずれか少ない額まで無利息・無担保・無保証の融資を受けられる。(ただし、貸付金の10分の1に相当する額が掛金から取崩される)

また、取引先が倒産しなくとも、解約手当金の範囲内で事業資金の貸付が無担保・無保証で受けられる。

小規模企業共済制度

小規模企業共済制度は、小規模企業共済法に基づいて、独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営する経営者の退職金制度である。

加入は、常時使用する従業員の数が20人以下(卸売業、小売業、サービス業は5人以下)の個人事業主または会社の役員で、掛金は、毎月1,000円から7万円の範囲(500円単位)で積立てることができ、所得税法上損金に算入できる。

共済金(解約手当金)は、個人事業の廃業や、満65歳以上で15年以上の掛金払い込みなどの請求事由が発生すれば受け取ることができる。

また、納付した掛金の範囲内であれば、無担保・無保証で事業資金等の貸付けを受けることができる。

弥生会計

弥生株式会社が1987年から販売している中小規模法人・個人事業者を対象とした会計ソフトウェア。
パソコン会計が初心者の方でも、すぐ使えるようなわかりやすい導入画面、仕訳がわからない時の仕訳アドバイザー機能が特色。

弥生会計は、「弥生会計スタンダード」の他に、部門管理が必要な法人用に「弥生会計プロフェッショナル」、離れた拠点や3台以上のご利用が必要な法人のお客さま向けの「弥生ネットワーク」を揃えている。

また、関連する製品として弥生会計のほかに、
・弥生給与
・弥生販売
・弥生顧客
・やよいの青色申告
・やよいの給与明細
・やよいの見積・納品・請求書
がある。

03-5207-8841

勘定奉行

株式会社オービックビジネスコンサルタント(OBC)から発売されている、中堅中小企業をターゲットとした財務会計ソフトウェア。
OBCからは財務会計、人事労務、販売仕入など業務ソフトウエアを奉行シリーズとして多数出している。

「奉行Jシリーズ」は、SOHO・小規模企業を対象とし、シンプルで使いやすい機能性・操作性を備えたソフトウェア。
「奉行iシリーズ」は、中規模・小規模企業向けに、共通費の部門配賦や予算実績管理をはじめとした管理・マネジメント業務を強化した。
「勘定奉行V ERP」中堅大手企業向けのシリーズで、IFRS、内部統制IPO、管理会計にも対応している。

奉行シリーズには勘定奉行以外にも、
・申告奉行
・償却奉行
・給与奉行
・商奉行
・蔵奉行
などがある。

PCA会計

ピー・シー・エー株式会社から発売されている会計ソフトウェア。

会計ソフトウェアには、SOHO,個人事業主やアパート経営者や農家の方向け「青色申告じまん」、パソコンや実務が初めての方にはわかりやすく、経験豊かな方には効率よく、安心・信頼できる「経理じまん」(PCAじまんXシリーズ)、中小規模ユーザー向け業務パッケージソフト「PCA会計X」がある。

そのほかに関連するソフトとして、
・税務計算ソフト
・給与計算・人事管理ソフト
・販売仕入・顧客管理ソフト
が発売されている。

また、PCA会計の特色として、特殊法人向けに
PCA公益法人会計
PCA NPO会計
PCA社会福祉法人会計
PCA建設業会計
PCA医療法人会計
などが揃えられている。

会計王 

ソリマチ株式会社から発売されている会計ソフトウェア。
業種別テンプレートで導入時の初期設定の手間を省いている。

シリーズごとには、
会計王(王シリーズ):
会計王PRO(王シリーズ)法人の決算書、個人の青色申告の両方に対応。キャッシュ・フロー計算書作成機能がある。複数台での同時入力が可能。

みんなの青色申告(みんなのシリーズ)

消費税申告王

会計王
給料王
販売王
顧客王

イメージキャラクターは松岡修造
0570-08-8341
03-5739-3211

ミロク

財務会計ソフトウェアを販売する東証一部上場企業である株式会社ミロク情報サービス、またはその会計ソフトを言う。

大将シリーズを展開し、財務会計ソフトは財務大将と呼ばれている。

対象企業ごとに、
・小規模事業者向け会計ソフト「記帳くん」
・従業員数10人以下の小規模事業者向け業務パッケージ「かんたん!シリーズ」
・中小企業向け業務パッケージ「ACE LINK Navi CE」
・中規模・中小企業向けERPパッケージ「MjSLINKⅡ」
・中堅企業向けERPパッケージ「Galileopt(ガリレオプト)」
となっている。

会計以外にも、
・給与/人事
・販売、仕入・在庫
・資産管理
・申告
ソフトを展開している。

なお、社名のミロクは、弥勒菩薩にちなんで命名されている。

TKC

TKC株式会社は、栃木県宇都宮市に本社を置く東証1部上場会社で、会計事務所、地方公共団体向けに会計ソフトや情報提供などのサービスを行っている。

税理士・公認会計士が、TKCのシステムを利用するには、TKC全国会に入会する必要があり、現在は、TKC全国会として、1万人を超える税理士・公認会計士を組織化。

また、22万社の決算書データから作成された経営指標は、「TKC経営指標(BAST)」として利用されている。

1966年に、公認会計士・税理士 飯塚毅が、栃木県宇都宮市に株式会社栃木県計算センターとして設立。
1971年に、TKC全国会を結成。

単にTKCと言ったときに、TKCで提供している会計ソフトを指して言う場合もある。

財務会計

企業の外部利害関係者である株主・債権者などに対して、企業活動の内容を企業情報として提供することを目的とした会計をいう。

企業内部の経営者の意思決定のための情報提供を目的とする管理会計に対して、さまざまな利害関係者に対し、他社と比較可能な情報を提供するために、一般に公正と認められた企業会計原則に従って作成される制度会計である。

最終的には、財務諸表(主に貸借対照表、損益計算書、キャッシュ・フロー計算書、株主資本等計算書)として利害関係者に企業情報は提供されることになる。

貸借対照表

企業の一定時点の財政状態を示す財務諸表の一つで、各期の損益計算書と損益計算書をつなぐ連結環としての機能を持つ。

貸借対照表の表示は、借方の資産の部、貸方の負債・純資産で構成される。
資産の部は、流動資産と固定資産に分けられ、固定資産はさらに有形固定資産、無形固定資産、投資その他の資産に分かれる。
負債の部は、流動負債と固定負債に分けられる。
純資産の部は、資本金と資本剰余金、利益剰余金と自己株式(資本の控除項目)に分けられ。
さらに資本剰余金は、資本準備金とその他の資本剰余金、利益剰余金は、利益準備金とその他の利益剰余金からなる。

損益計算書

損益計算書とは、企業の経営成績を明らかにするために、一会計期間に属するすべての収益とこれに対応するすべての費用を控除して利益を表す財務諸表の一つ。

損益計算書の構成は、
売上高
売上原価
売上総利益
販売管理費
営業利益
営業外損益
経常利益
特別損益
税引前当期利益
法人税等
当期純利益
となっており、各段階で利益が計上される。

財務諸表

企業の利害関係者である株主や債権者の意思決定に有用な情報提供するために、一定時点の財政状態と、企業の一定期間の経営成績とキャッシュ・フローの状態により

貸借対照表
損益計算書
キャッシュ・フロー計算書

仕訳

仕訳とは、企業の取引を簿記のルールに従って勘定科目に分類していくことをいう。

簿記には単式簿記と複式簿記があるが、複式簿記では、取引を借方または貸方の勘定科目に分類していく。

具体的には、資産・費用の増加は、左側の借方に記帳し、負債・資本・収益の増加は、右側の貸方に記帳する。
それぞれ減少する場合、資産・費用は貸方に、負債・資本・収益は借方と、逆側に記帳することになる。

複式簿記に従って仕訳された取引は、最終的には、資産・負債・資本の勘定科目ごとに集計されて貸借対照表となり、収益・費用の勘定科目ごとに集計されて損益計算書となる。

勘定科目

勘定科目は、複式簿記で取引の仕訳をする科目や、財務諸表の表示科目を言い、資産・負債・資本と収益・費用の項目に分類される。

主な項目としては、資産項目には、
現金
預金
売掛金
受取手形
たな卸資産
前払費用
建物
機械
土地
投資有価証券

負債項目には、
買掛金
支払手形
短期借入金
未払費用
未払金
賞与引当金
長期借入金

資本項目には
資本金
資本準備金
利益準備金

収益項目には
売上
受取利息
雑収入
固定資産売却益

費用項目には
仕入
給与
旅費交通費
交際費
支払利息
減価償却費
租税公課

会議費

会議に関連して支出されるお茶、弁当代、会場費用などをいうが、実務上は、交際費との区別が問題となる。

具体的には、税務上、 1人当たり5,000円以下の飲食費(社内飲食費を除く)は交際費から除外し、損金に算入できる。

そのためには、 次に掲げる事項を記載した書類を保存する必要がある。
・その飲食等のあった年月日  
・その飲食等に参加した得意先、仕入先その他事業に関係のある者等の氏名又は名称及びその関係
・その飲食等に参加した者の数  
・その費用の金額並びにその飲食店、料理店等の名称及びその所在地
具体的には、「○○会社・□□部、△△◇◇(氏名)、卸売先」などと記載する。

なお、支出する費用に係る消費税等の額を含めるかどうかは、税抜経理方式の場合は除き、税込経理方式の場合は含めて判定される。

交際費

交際費等とは、交際費、接待費、機密費その他の費用で、法人が、その得意先、仕入先その他事業に関係のある者等に対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出する費用をいう。

ただし、
・専ら従業員の慰安のために行われる運動会、演芸会、旅行等のために通常要する費用
・1人当たり5,000円以下の飲食費(社内飲食費を除く)
・会議に関連して、茶菓、弁当その他これらに類する飲食物を供与するために通常要する費用
などは、交際費から除かれる。

なお、資本金の額又は出資金の額が1億円以下の法人に係る交際費課税について、定額控除限度額(年600万円)に達するまでの金額についても10%は損金の額に算入されない。
また、資本金の額又は出資金の額が5億円以上の法人の100%子会社等は、定額控除の適用対象から除かれる。

旅費交通費

旅費交通費とは、役員や従業員などが業務上で使用したバス、電車、タクシー等の交通機関の利用料金や国内外の出張にかかる宿泊代、通勤にかかわる交通費や、転勤にかかる赴任旅費も含まれます。

また、遠隔地への出張に際して、旅費規程等を整備し、規程に基づき支給される交通費、宿泊代、出張手当などの諸経費も含まれる。

旅費交通費は税法上、原則損金となる。
消費税法上は、課税仕入に該当し仕入税額控除の対象になる。

ただし、領収書が発行されないバス・電車等は、出金伝票や精算表による明細が必要となる。

リース

設備投資

設備投資とは、企業が、工場や事務所等の建物の建設や、機械・器具の購入など有形固定資産への資金の投入、あるいはソフトウエア開発、電話加入権、特許権など無形固定資産に資金を投入することをいう。

従来は工場・機械といった有形固定資産への投資が多かったが、経済のソフト化に伴いソフトウエア開発といった無形固定資産への投資の比重が大きくなっている。

設備投資の目的には、生産設備の新設や生産能力の増強といった産出量の増加させる投資だけではなく、陳腐化した設備の更新、合理化投資、省エネ投資などもある。

一般に設備投資は金額が大きく、回収までの期間が長期にわたることから、長期の経営計画にもとづいた設備投資計画にもとづくとともに、資金調達計画で資金調達を計ってから実行に移される。

法人税

法人税とは、法人税法に基づき内国法人等の所得等に対する税金をいう。

株主総会で承認された決算書の利益をもとにして、法人税法上の調整を加算・減算することにより課税所得を算出し、法人税額を算出する。

法人税率は30%だが、中小企業者等(期末資本金が1億円以下の普通法人等)については、所得金額の800万円以下が18%(本則税率22%)となっている。ただし、適用期限は、平成24年3月31日まで。

なお、法人税と言った時には、地方税の法人事業税や法人都道府県民税なども含めて言われる場合もある。

法人住民税

法人住民税とは、地方税の一種で、
・法人の利益に応じて課税される法人割と、
・法人と利益とは関係なく、規模に応じて課される均等割り
の二つからなる。

また、法人住民税の法人割と均等割りは、それぞれ都道府県と市町村部分に分けられる。

まず法人割は、法人税に対して標準税率を掛けて算出される。
この税率も地方自治体ごとに独自の税率を設定できるが、最高税率として制限税率が定められている。なお、標準税率は、都道県部分が12.3%、市町村部分が5%で、合計17.3%となっている。

均等割りは、資本金・従業員に応じて決められており、例えば、資本金千万円以下で従業員50人以下の場合、都道府県部分が2万円、市町村部分が5万円で、合計7万円となっている。

消費税

消費税とは、国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡、貸付け及び役務の提供と外国貨物の輸入にかかる税金。

生産及び流通の段階では、販売価格に消費税が転嫁されることにより、最終的には消費者が負担することになる。なお、消費税の税率は4%であり、地方消費税が別途1%課税され、合計で5%となっている。

消費税は、課税期間ごとに売上げに対する税額から、仕入れに含まれる税額を控除することにより計算される。

中小事業者の特例として、事務負担軽減のために、基準期間(課税期間の前々年又は前々事業年度)の課税売上高が1千万円以下の事業者は、消費税が免除される。

また簡易課税制度として、基準期間の課税売上高が5千万円以下の事業者は、売上げに対する税額に一定のみなし仕入率を乗じた金額を仕入れに含まれる税額とみなすことができる。

源泉所得税

源泉所得税とは、給与や利子、配当、税理士報酬等の所得を支払う者が、支払の際に所定の方法により所得税額を計算して、支払金額から、その所得税を差し引いて国に納付する。

源泉徴収義務者は、源泉長をした所得税を、源泉徴収の対象となった所得を支払った月の翌月10日までに、納税地の所轄税務署に納付しなければならない。

ただし、給与の支給人員が常時10人未満である源泉徴収義務者は、所轄税務署長に「所定の申請書を提出して承認を受けることにより、給与や退職手当、税理士報酬等の源泉徴収をまとめて年2回納付する、納期の特例制度が設けられている。

源泉徴収の主な対象(居住者が支払を受ける場合)
1.利子等
2.配当等
3.給与等
4.退職手当等
5.公的年金等
6.報酬・料金等
7.特定口座内保管上場株式等の譲渡による所得等

法人税還付

法人税の欠損金の繰戻しによる還付とは、欠損金額が生じた事業年度の前事業年度において納税した法人税額の還付を請求できる制度。

還付金額の計算は、
前事業年度の法人税額×(当事業年度の欠損金額(注)/前事業年度の所得金額)
(注)、前事業年度の所得金額が限度となります。

対象は中小企業者等(期末資本金が1億円以下の普通法人等)であり、平成21年2月1日から平成24年3月31日までに終了する各事業年度までとなっている。

適用要件として、
(1) 前事業年度と当事業年度ともに青色申告書である確定申告書を提出していること
(2) 当事業年度の青色申告書である確定申告書を、その提出期限までに提出していること
(3) 上記(2)の確定申告書と同時に欠損金の繰戻しによる還付請求書を提出すること

印紙税

印紙税とは、印紙税法で定められている20種類の文書(課税文書)に課税文書に対して課される税金。

印紙税は、課税文書を作成した者(共同して作成した場合は連帯納税義務を負う)が納税義務を負い、原則、課税文書に収入印紙を貼り消印することで納付する。
(税務署に、課税文書を持ちこみ税印を押なつする方法等もある)

印紙税を、課税文書作成時までに納付しなかった場合、過怠税として印紙税の3倍の金額が徴収される。
貼り付けた印紙を消印しなかった場合も、消されていない印紙と同額の過怠税を徴収される。

主な課税文書
第1号文書:不動産等の譲渡、地上権又は土地の賃借権の設定又は譲渡、消費貸借、運送に関する契約書
第2号文書:請負に関する契約書
第3号文書:約束手形又は為替手形
第4号文書:株券、社債券他
第6号文書:定款
第7号文書:継続的取引の基本となる契約書
第17号文書:金銭又は有価証券の受取書

繰越欠損金

脱税

脱税は、納税義務者または徴収納付義務者が、偽り、不正行為により納税を免れたり還付を受けることをいう。

従来租税犯は行政犯の一種とみられていたが、現在では刑事犯と考えられている。

平成22年度税制改正により、直接税・消費税の脱税については、10年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金(または併科)に引き上げられた。
源泉所得税の脱税については、10年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金(または併科)に引き上げられた。

脱税と類似した租税犯として、虚偽申告や単純無申告半などについては租税危害犯として、扱われ、1年以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられる。
ただし、偽り、不正と結び付けば、脱税扱いになる。

租税回避

租税回避とは、通常の経済取引からは合理的な理由がないのに、通常は用いられない法形式で取引を行うことで、経済的な目的を達成しながら税負担を減少させようとするものである。

脱税が、課税要件が充足されていることを隠そうとするのに対して、租税回避は、課税要件の充足を回避した、つまり課税要件が充足することがないよう取引形態を選択することである。

節税が、税法の予想した範囲内で課税負担を減少させようとする行為だが、租税回避は、課税負担の減少のためだけに異常な取引形態を装うものである。

租税回避が行われた場合、その行為は法律上有効だが、租税法上は法形式を無視し、課税要件が充足されたものとして扱うことを、租税回避否認の行為という。

節税

法の予想した範囲内で、課税負担の減少を図ろうとすることをいう。

類似した概念に、脱税と租税回避がある。

脱税は、偽り、不正行為に納税を逃れようとするものであり、租税回避は、法の予想しない異常な取引形態で課税負担の減少を図ろうとするものである。ただし、実務的には、節税の脱税・租税回避との境界が曖昧な場合もある。

節税の方法としては、利益の繰延、費用の前倒し計上

青色申告(個人事業の場合)

対象:不動産所得・事業所得・山林所得

要件:一定の帳簿書類で記録し保存していること

特典
・家事関連費用の必要経費を損金算入
・青色事業専従者給与(家族従業員)を必要経費にできる
・各種引当金などを費用に出来る
・青色申告特別控除
原則:10万円の控除
特例:不動産所得(事業的規模に限る)または事業所得の青色申告者で、複式簿記で貸借対照表と損益計算書を作成している場合は65万円の控除
・純損失の繰越控除(3年間)、繰戻還付の特例

青色申告承認期限
「青色申告承認申請書」を、以下の期限内に納税地の所轄税務署長に提出
・白色申告から青色申告への変更の場合:その年の3月15日まで
・新規開業の場合
1月15日までに開業…その年の3月15日まで
1月16日以後に開業…開業日から2か月以内 

青色事業専従者給与


白色申告
通常の申告制度で、青色申告承認申請を行っていなければこの白色申告に該当する。

原則、青色申告制度のような一定の要件を備えた帳簿書類は必要はなく、収入金額や必要経費に関する日々の取引の状況を記帳し、領収書等を整理・保存する。
ただし、以下の場合は、簡易な記帳を行う。

記帳制度
前々年分または前年分の不動産所得・事業所得・山林所得の合計金額が、300万円を超える場合、
・売上げなどの総収入金額
・仕入れその他必要経費
を記帳する。

例えば、売上げに関する事項の記載内容は、
・取引の年月日
・売上先その他の相手方の名称
・金額
・日々の売上げの合計金額等

帳簿などの保存期間
・帳簿や書類を5年間
・記帳制度適用者の帳簿については7年間

青色申告との相違
白色申告の場合、青色申告の特典である
・家事関連費用の必要経費を損金算入
・青色事業専従者給与
・青色申告特別控除(10万円または65万円)
・純損失の繰越・繰戻
が受けられません。

減価償却
建物、建物附属設備、機械装置、器具備品、車両運搬具などの固定資産は、収益獲得に貢献するとともに、時の経過とともにその価値を減ずるため、取得価格を、費用収益対応の原則に従い使用期間にわたり費用を配分する手続き

対象資産
有形固定資産、無形固定資産が対象となるが、土地、絵画等の価値が減少しない資産は非償却資産として減価償却を行わない
ただし、税務上は、使用期間1年以上かつ取得価額10万円以上の減価償却資産が減価償却の対象となり、10万円以上20万円未満の場合、少額減価償却資産となる。中小企業者等の場合は30万円までとなる。

償却方法
・定額法 
・定率法
・級数法
・生産高比例法

耐用年数
資産の耐用年数を見積もることは困難なことから、税務上資産ごとに法定耐用年数が決められている